お手本通りじゃなくてもいい、あなたの音楽

マインド

こんにちは^^
今日は「表現の自由」についてお話ししたいと思います。

フルートを吹いていると、つい「上手な人」や「お手本演奏」と比べてしまうことがありますよね。
でも、音楽の魅力って本来“比べるもの”ではなく、“感じるもの”だと思うのです。

比べるより、「自分の音」を感じてみる

学生の頃の私は、よく人の演奏を聴いては落ち込んでいました。
「なんであんなにキレイな音が出るんだろう」「私の音はまだまだだな」——そんなふうに思って、つい自分を責めてしまっていました。

けれど、少しずつ気づいたことがあります。
人の音が違うのは、「その人の感じ方や呼吸、これまでの歩み」が違うからであり、
音楽は“競う”ものではなく、“自分を映す鏡”なんだな、ということを。

同じ曲を吹いても、感じるテンポや息づかいは人それぞれ。
“お手本通りに吹くこと”よりも、“自分が何を感じてその音を出したのか”が、音楽の根っこにあるのだと思います。

感じる姿

音楽はことばを越えてつながる

自衛隊音楽隊に所属していたとき、 米軍の音楽隊と共演する機会がありました。
英語があまり得意ではない私は、「コミュニケーションをとれるのか」、「一緒に音楽を作っていけるのか」、ということに不安な気持ちがたくさんありました。

でもそんな不安は、一緒に合奏をして消えていきました。
音楽を一緒に楽しみ言葉がなくても通じ合える感覚を感じたからです。
お互いの音が会話のように交わり、リズムで笑い合い、フレーズで呼吸を合わせる、
“音で分かり合える”という体験をしたとき、音楽の持つ自由さ温かさを強く感じました。

その瞬間、私の中で「正解の音楽」ではなく、「心でつながる音楽」が大切なんだと思えるようになりました。

合奏

「自分の表現」に目を向けてみよう

フルートを練習していると、つい“できないところ”ばかりに目がいってしまうものです。
でも、たとえば——

・「このフレーズをどんな気持ちで吹きたいか」
・ 「この音色はどんな色のイメージなのか」
・ 「この曲の中で、一番好きな瞬間はどこか」

そんな問いを少しずつ意識するだけで、音楽の見え方が変わります。

上手く吹く、というところに視点を向けるのではなく、
“そのときの自分の音”を大切にしてほしいな、と思います。

イメージ絵

今日からできる小さな工夫

理屈よりも、まず“体で感じてみる”こと。
次のような工夫を試してみてください。

・ 参考音源を聴くとき、「真似する」だけではなく「感じたこと」をメモしてみる
・ 同じ曲を、日をあけてもう一度吹いてみる(気持ちの変化に気づけます)
・ 録音を聴いて「うまくできなかった点」より「好きだなと思う音」に注目してみる

小さな「気づき」を積み重ねるうちに、自分の音楽が少しずつ形になっていきます。

フルート練習

最後に

お手本通りじゃなくてもいい。
あなたが感じた音楽が、あなたの音楽です。

音の美しさは“技術”だけでなく、
“その人の生き方”“想いの深さ”からにじみ出るもの。

だからこそ、焦らず、自分のペースで育てていけば大丈夫です。
少しずつ重ねた時間の中で、あなたらしい音はきっと見えてきます。

あなたの音が、誰かの心をやさしく包む日が、きっと来るはずです。

レッスンでは、そんな「あなたらしい音楽」を大切にしています。
一人ひとりの感じ方やペースに寄り添いながら、
あなたが自分の音を自由に紡げるよう、
そのお手伝いができたら、とても嬉しいです^^

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