こんにちは^^
練習していると、思うようにいかない日ってありますよね。
音がかすれたり、指が動かなかったり。
「昨日できたのに、今日はダメかも…」なんて、つい落ち込んでしまう。
でも実は、そんな時間こそが、音楽を育ててくれていると私は思います。
「できない時間」も、音楽の一部?
練習してもうまくいかない…
それでも練習を続けているのは、きっと音楽が好きだからではないでしょうか。
上達には“波”があります。
調子がいい日もあれば、なぜか鳴らない日もある。
けれど、その波の中で確かに積み重なっているものがあります。
音が出ない日があるからこそ、 うまく鳴ったときの喜びが深くなる。
焦らず、そのリズムごと音楽として受け取ってみましょう。
「できるようになる」過程を、もっと味わおう
音楽の成長は、“できる・できない”という結果だけでは測れません。
どんな音を出そうとしているのか、 どんな気持ちでフレーズを吹いているのか——
その“過程の中にある感覚”こそが、あなたの音を少しづつ変えていきます。
そんな日々の観察を、練習ノートに記していくこともひとつの方法です。
音の響き、息の方向、身体の支え……
「今、何を感じているか」を少しずつ意識することで、
技術が自然と整理されていきます。

学生時代と今では、音楽の感じ方が違っていた
私自身、数年ぶりにピアソラの《オブリビオン》を練習したとき、
以前吹いたときと音楽の感じ方が違うと感じました。
学生のころは、音を外さないように、テンポを崩さないように——
“正しく吹くこと”が最優先。
もちろん技術的に基礎をしっかりしておくことはもちろんですが、
音色やニュアンスを追う余裕までは、正直あまりなかったように思います。
“あの頃と同じ曲なのに、感じ方が違う。”
その瞬間に、私は「音楽って生き物なんだな」と感じました。
自分の人生の流れとともに、音楽も変化していく。
そしてそれこそが、音楽の面白いところなのだと思います。
「過程を楽しむ」は、結果を育てるということ
“過程を楽しむ”という言葉は、 「結果を求めないこと」と誤解されることもあります。
でも実際は、その逆。
結果を支えるために、もっとも大切なのが“過程を丁寧に味わうこと”です。
「昨日より、指が軽い気がする」 「今日は音の芯が少し太い」
そんな小さな気づきを見つけるたびに、 音も心も少しずつ育っていきます。
“できた”という瞬間は、 そうした日々の積み重ねの先に自然と訪れるものなんです。

「うまくいかない日」こそ、音の観察
思うように吹けない日ほど、音を“評価”するのではなく、“観察”してみましょう。
「ここができない」「この音が鳴らない」とできない部分に意識を向けすぎると、
知らないうちに身体に余計な力が入ってしまい、かえって動きがぎこちなくなることがあります。
そんなときは、ひとつひとつの音を丁寧に聴いてみてください。
「どうすれば思うように鳴るだろう?」と考えるより、
「今の音はどんな響きをしているかな?」と耳を澄ませてみる。
その意識の切り替えだけでも、音も呼吸も少しずつ落ち着いていきます。
練習の時間が、“できない自分を責める時間”から、
“音と向き合う時間”へと変わる瞬間です。
音との“対話”が、音楽を豊かにする
長く楽器と向き合っていると、
「うまくなる」ことよりも「音と向き合うこと」そのものが楽しくなってきます。
昨日の音と今日の音、学生のころの音と今の音。
同じ曲を吹いても、感じ方がまったく違う。
それは、あなたの人生と一緒に音楽も変化しているから、だと思います^^
上手く吹けないと感じたその瞬間も、実は自分の変化に気づけたという、小さな成長のサインです。
その気づきこそ、音と向き合う力を育ててくれます。

最後に|“続けられる”ことの素晴らしさ
仕事や学業、家事や育児……
それぞれの暮らしの中で“続ける”というのは、簡単なことではありません。
でも、続けている限り、音楽はきっと応えてくれます。
音楽は“完成させるもの”ではなく、“育てていくもの”。
できない日も、焦る日も、全部ひっくるめてあなたの音楽です。
今日もあなたの音が、少しでもやさしく響きますように^^


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