フルートを吹くとき、息の使い方や指の動きには意識がいくけれど、 「下唇」 にはあまり目を向けない方が多いように感じます。
でも実は、この下唇のちょっとした柔軟さが、音の響きや表現に大きく関わっているんです。
今日はそんな「下唇」についてのお話しです。^^
下唇が固まるとどうなる?
レッスンで見ていると、
- 低音はよく鳴るのに、高い音になると音が細くなる
- 息を入れても音が詰まる感じがする
そんな方の多くが、下唇を止めたまま吹いてしまっている ことがあります。
下唇に歌口が乗りすぎていたり、上唇が覆いかぶさっていたりすると、
下唇が動けなくなり、結果として息の角度を調整できなくなってしまうのです。

下唇は“動いていい”
フルートの音を作る小さな穴(アパチュア)は、上唇だけで作るものではありません。
上下の唇が一緒に柔らかく働くことで、音が安定し、響きが豊かになります。
下唇が自由に動けるようになると…
- 音色のバリエーションが増える
- 音のニュアンスを繊細にコントロールできる
- 苦手な音域も無理なく響く
つまり「下唇の柔軟性=音の自由さ」につながっていきます。

今日からできるチェック
もし「音が出しにくい」「もっと響きを広げたい」と思ったら、こんなことを試してみてください。
- 鏡を見て、歌口を覆いすぎていないか確認する
- 吹きながら、下唇を前後に少し動かしてみる
(動かせない場合は、歌口が下唇に乗りすぎているかもしれません)
実際にこの確認だけで「楽に響きの良い音が出た!」と驚かれた生徒さんもいらっしゃいました。
自分の癖は鏡で映して、客観視して見ると気づくこともあります。
ぜひ、鏡を使って練習してみましょう。
さらに興味のある方は、ペーター・ルーカス・グラーフ著 『フルートテクニックの総点検』 にある基礎練習もおすすめです。
特に P14 の課題4(グリッサンド)は、下唇を柔らかく動かす感覚をつかむのに役立ちます。
興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください^^

(↑私の楽譜は楽譜カバーが取れてしまっています^^;)
最後に|小さな気づきで音は変わる
「音が出ない=自分が下手だから」ではありません。
実はちょっとした唇の位置や柔らかさで、音は驚くほど変わります。
もし今、思うように響かないと感じているなら、下唇が固まっていないかをそっと見直してみてください。
その小さな気づきが、あなたの音色をもっと自由に、もっと豊かにしてくれるはずです。
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